一つの戸籍に記載できる親族関係は「親・子」二代までという原則をいいます(戸籍法第6条)。「親・子・孫」というような、三代の記載をすることはできません。
この原則が問題になる場面としては、子が未婚の母として出産したり、子が未婚の父として認知をした場合が考えられます。
未婚の母は、それまで親の戸籍に入っていた場合、そのままでは子を自分の戸籍に入れることができません。「親・未婚の母・未婚の母の子」と三代記載になってしまうためです。
そこで、このような場合には未婚の母が親の戸籍から出て新しい戸籍を作り、その新戸籍に生まれた子が入籍することになります。認知の場合も同様です。
戸籍には「○月○日に婚姻によって従前戸籍○市○町から移ってきた」というように、移動の原因や出入先が全て書かれていますから、戸籍が1つあればイモヅル式に前後の関係を辿ることができます。親子二代の関係しか記載されていませんから、比較的見やすくなっていると思います。
なお相続調査のため戸籍を取り寄せていると、一つの戸籍内に親子だけでなく孫・甥・姪・戸主の弟・弟の妻・継母など、一族郎党が全て記載されている戸籍謄本が出てくることもあります。
これは家制度が残っていた頃の古い戸籍で、現在の戸籍法が施行される前の制度であるため、このような記載となっているわけです。
こうした古い戸籍は、記載が全て筆で手書きされていたり、記載変更があった部分に短冊のような紙を張って訂正してあったりと、内容自体の複雑さも相まって大変見づらいものとなっています。昔の方は養子縁組や本籍地移動も頻繁にありますから、広い範囲で相続調査を行う場合は少々難易度が上がってくるかもしれません。
当事務所では、相続案件のご依頼に際して、相続調査のための追加費用は不要です。
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<戸籍法>
第6条 戸籍は、市町村の区域内に本籍を定める一の夫婦及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編製する。ただし、日本人でない者(以下「外国人」という。)と婚姻をした者又は配偶者がない者について新たに戸籍を編製するときは、その者及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編製する。