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相続・遺言コラム

行方不明の親族がいるとき(1)(被相続人が行方不明の場合)

2008/06/15

ある人が長いあいだ行方不明になっている場合、その人の名義になっている財産を、その配偶者や子が相続することができるでしょうか。

 

従来の住所・居所を去ったまま容易に帰ってくる見込みのない者を「不在者」と言います(民法第25条1項)。


相続は通常、人の死亡によって起こりますが、不在者は行方知れずのまま死亡が確認されていないのですから、そのまま放っておけば戸籍上は死亡しておらず、ずっと相続が開始しないことになってしまいます。
(太平洋戦争に行ったまま南国の海上で消息を経った方の戸籍が、死亡とされずに数十年もそのままになっていたケースがあります)

 

こういった場合、不在者が本当に死亡しているかどうかの判定はさておき、「失踪宣告」という制度によって、不在者が死亡したのと同様の法律効果(相続や離婚など)を生じさせることが可能です。

不在者の生死が7年以上不明である場合、推定相続人などの利害関係人が家庭裁判所へ申し立てをすることによって、失踪宣告をしてもらうことができます(「普通失踪」民法第30条1項)。


失踪宣告がなされた場合、不在者は最後に生存確認できた時から7年間を経過した時点で死亡していたとみなされます。よって、それ以降であれば不在者名義の財産について遺産分割をすることができます。また不在者が法定相続人の1人であった場合でも、既に死亡しているものとされますから、法定相続人としてカウントせず遺産分割協議を進めることが可能になります。

 

この制度は、あくまで「不在者が死亡したのと同様の法的効果を生じさせる」ものにすぎず、不在者の死亡を確定させるものではありません。不在者がどこかで生きていれば、それまでと何ら変わらず権利義務の主体となることができます。
海難事故などを原因とする失踪宣告は「危難失踪」といい、危難の去った時から1年間経過したあとで、その事故時に死亡していたとされます(民法第30条2項)
行方不明だが死亡したことが確実である場合には、認定死亡という制度が別途適用される場合があります。

 

 

カテゴリー: 相続調査



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