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相続・遺言コラム

相続放棄の順番

2008/09/11

相続放棄には遡及効があり、相続放棄をした人は最初から相続人でなかったことになります(民法第939条)。
亡くなった人(被相続人)に子が何人いたとしても、全ての子が相続放棄をしてしまえば、法定相続分を考える上では子が一人もいないケースと同様に考えるというわけです。

ところで多額の債務を負って亡くなった被相続人に妻子だけでなく、両親や兄弟までいたような場合、相続放棄の具体的な進め方はどうなるでしょうか?

結論から言うと、こうした場合では誰が相続放棄したかによって法定相続人の範囲が変化していきますから、親族全員が相続放棄して債務を免れるためには、何度かに分けて相続放棄の申述を行う必要があります。

1)1度目の相続放棄申述:被相続人の子と妻
被相続人の妻(配偶者)は、常に相続人です。
被相続人に子がいる場合、子は第一順位の相続人です。
そこで被相続人に妻子がある場合、この子と妻が最初に相続放棄をすることになります。

なお、妻が仮に相続放棄しなかったとしても、全ての子が相続放棄していれば、法定相続分の範囲が変化しますから2度目の相続放棄申述へ進む必要が生じます。

2)2度目の相続放棄申述:被相続人の両親(直系尊属)
被相続人の両親(直系尊属)は、第二順位の法定相続人です。
被相続人の両親が存命だったとしても、被相続人に子がいる場合であれば、通常は子が相続人となり、両親が相続人となることはありません。
しかし、全ての子が相続放棄してしまった場合には、法定相続分を決定する上では子が一人もいないのと同じ状態ですから、被相続人の両親も法定相続人となり債務を相続してしまいます。

そこで、被相続人の全ての子が相続放棄を完了させたあとで、次は被相続人の両親が相続放棄の申述をすることになります。

なお、妻が相続放棄したかどうかは「誰が相続人となるか」の判断には影響しません。子が相続放棄したが妻が相続放棄していない場合であれば、妻は被相続人の両親と一緒に債務を相続する立場に置かれます。(法定相続分の割合は妻が3分の2、両親が合わせて3分の1です)

3)3度目の相続放棄申述:被相続人の兄弟
被相続人の兄弟は、第三順位の法定相続人です。
被相続人の両親が存命であれば、通常は兄弟が相続人となることはありません。しかし、被相続人の子も両親も相続放棄してしまった場合、被相続人の兄弟も法定相続人となり債務を相続してしまうことになります。
そこで、こうした場合は被相続人の兄弟が最後に相続放棄の申述をすることになります。

なお、被相続人の妻は常に相続人ですから、子や両親が相続放棄して妻だけ相続放棄していない場合であれば、妻は被相続人の兄弟と一緒に債務を相続する立場に置かれます。(法定相続分の割合は妻が4分の3、兄弟が合わせて4分の1です)

■相続放棄の期間制限は?
相続放棄には「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3ヶ月以内という期間制限がありますが(民法第915条・第938条)、この期間は実際に自分が相続放棄をできる状態になり、それを知った時点からカウント開始となります。

先述の例で言うと、被相続人の両親(第二順位の法定相続人)が相続放棄できる期間のカウント開始は、早くとも被相続人の子(第一順位の法定相続人)が相続放棄の申述を完了した時点からとなります。
つまり第一順位の法定相続人が、相続開始から3ヶ月間が満了する1日前で相続放棄したからといって、第二順位の法定相続人が相続放棄できる期間はあと1日しかなくて間に合わない、という事態にはなりませんのでご安心ください。

それから被相続人の配偶者については、1)2)3)どの段階でも相続放棄することが可能ですが、期間制限のカウントは最初から進行していますから、ご自身の期間制限を過ぎてしまわないよう注意してください。

親族が多い場合、このように2度も3度も繰り返し相続放棄申述を行わないと、親族全体で負債を免れることができないため、やや手間がかかることになってきます。
当事務所ではこうした複雑な案件についても取扱っておりますので、まずはご相談いただければと思います。

◎民法第915条1項 
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

◎民法第938条 
相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。

◎民法第939条 
相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

 

カテゴリー: 相続放棄

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